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アクティブラーニングとは?現在「主体的・対話的で深い学び」として発展

アクティブラーニングとは?現在「主体的・対話的で深い学び」として発展

アクティブラーニングは、生徒が能動的・主体的に学ぶことを重視した学習方法です。

近年、この言葉は教育現場ではあまり使われなくりましたが、その本質を捉えると、単に古い概念だとは言えなそうです。

ここでは、アクティブラーニングとは何か?また、そのメリットや具体的な方法をわかりやすく解説します。

目次

アクティブラーニングとは生徒が能動的・主体的に学ぶこと

アクティブラーニングとは、日本語では「能動的学修」とも言われ、生徒が能動的・主体的に学ぶことを重視した教育方法や学習方法を指します。文部科学省では、アクティブラーニングを「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称」と定義しています。

具体的に言うと、グループディスカッション、ディベート、プレゼンテーション、課題解決学習などを通して、生徒自身が考え、議論し、調べ、発表することで、知識や技能を習得することを目的としています。

現在の学習指導要領や教育現場ではアクティブラーニングという言葉はほとんど使われず、「主体的・対話的で深い学び」という言葉に変わっています。とは言え、基本的には同じ意味合いを持つ考え方のため、ここではアクティブラーニングとして解説していきます。

アクティブラーニングが推進されていた背景

2012年に文部科学省の中央教育審議会が「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)」でこの言葉が使われて以来、注目されるようになりました。元々は大学の教育改革から始まった言葉でした。

しかし広く注目される背景となったのは、現代社会が抱える様々な問題があります。少子高齢化、グローバル化、人口減少など、将来の日本社会は厳しい課題に直面すると言われています。そこで、主体的に考え、仲間と協力して課題を解決できる人材を育成することが求められています。

従来の教育では、知識の詰め込みや正解を出すことに重点が置かれていました。しかし、高度化・複雑化する社会の中で正解のない課題や問題に上手く対応し、生き抜く力を育むことが重要です。アクティブラーニングは、生徒自身が主体的に学び、仲間と協力しながら課題に取り組むことで、この力をつけることが期待されます。

アクティブラーニングの3つのメリット

アクティブラーニングには様々な効果がありますが、主に3つのメリットについて解説します。

それぞれ順に解説します。

主体的な学びを促進する

教師が一方的に情報を伝えるのではなく、グループディスカッションやプレゼンテーションなどを通して、生徒自身が主体的に学びを進めます。従来の授業では、理解できないまま話が進んでしまうこともありましたが、アクティブラーニングでは、自ら考え、議論することで、知識を深め、理解を定着させることができます。

問題解決能力を育成する

アクティブラーニングでは、課題解決を重視した学習活動が多く取り入れられます。課題の発見や情報収集、仮説、検証、解決などのサイクルを体験的に学ぶことで、生徒たちは問題解決に必要な様々な能力を養うことができます。課題解決の過程で失敗することもあるでしょう。しかし、失敗から学び、改善していくことで、粘り強さやチャレンジ精神を養うことができます。

協働性を育む

グループワークやディスカッションを通して、異なる意見や価値観を持つ仲間と交流することになります。自分の考えを主張するだけでなく、相手の意見を理解し、尊重することで、多様性を理解することができます。グローバル化が進む現代社会において重要なスキルです。また、自分の考えを論理的に説明したり、相手の意見を理解することで、コミュニケーション能力を向上させることができます。

アクティブラーニングの主な学習方法の種類

アクティブラーニングの学習方法には様々な技法があります。ここでは代表的な事例を説明します。

それぞれ順に解説します。

学び合い

アクティブラーニングにおいて、「学び合い」は、生徒同士が互いに教え合い、学び合う学習方法です。従来の教師主導型の授業とは異なり、生徒自身が主体的に考え、行動することで、知識を深め、理解を定着させることができます。

ジグソー法

ジグソー法は、生徒がそれぞれ異なる部分の学習を担当し、教え合うことで、理解を深める学習法です。生徒を少人数のグループに分け、それぞれ異なる課題を割り当てます。各グループのメンバーは、割り当てられた課題を学習し理解を深めます。その後、グループを再編成し、新しいグループでそれぞれが学んだ内容を説明し合います。全員で学んだ内容を共有し、理解を確認することで、より深い理解が生まれます。

Think-Pair-Share

生徒が自ら考え、ペアで話し合い、学んだことを共有することで、理解を深め、定着させる学習法です。まず、課題に対して生徒は一人ひとりが考え、その後に2人1組のペアになり、互いに考えたことを話し合います。最後に、各ペアが考えた内容を全体で共有します。

ラウンド・ロビン

生徒がリレーのように、順番に意見やアイディアを発表していく学習法です。決められた順番で、一人ずつが自由に意見を述べ、その内容を次の参加者に伝えます。議論や評価はせず、思いついたことを次々に発言することで、効率的に新しく自由なアイディアが生まれやすくなります。

ピア・レスポンス

生徒が互いの研究レポートを読み合い、意見を交わすことで、理解を深め、表現力や協調性を育む学習法です。作品を客観的に捉え、改善点を発見したり、コミュニケーション能力や表現力を高めたりする効果があります。

PBL(課題解決型学習)

生徒自身が課題を設定し、解決に向けて主体的に学びを進めていく学習方法です。教科書や教師の指示ではなく、自らの興味や関心に基づいてテーマを選び、情報を収集・分析し、考察を深めます。答えのない問いと向き合い、試行錯誤しながら学ぶため、自主制や問題解決能力が養われます。

アクティブラーニングはもう古い?

近年、学習指導要領から「アクティブラーニング」という言葉が消え、「主体的・対話的で深い学び」という表現に置き換えられています。アクティブラーニングは単に流行遅れなのでしょうか?

文部科学省をはじめ、様々な議論があったことは想像に難くありません。用語を変更した背景には、アクティブラーニングという言葉の定義が曖昧で、教育現場における混乱を招いたという事情があります。それでも、本質は「主体的・対話的で深い学び」という言葉でより的確に表現されていると言えるでしょう。

まとめ

アクティブラーニングは、従来の受け身型の学習ではなく、生徒が主体的に学習に取り組むことで、自主性を育むことを目的とした教育方法です。

近年、あまり使用されなくなったとはいえ、「主体的・対話的で深い学び」という言葉に置き換えられて継承されています。今後は、言葉だけにとらわれず、その本当の意味を理解し、実践していくことが重要となりそうです。

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