子どもの塾を考え始めると、パンフレットの月謝だけを見ても、1年間で実際にいくらかかるのかは分かりにくいもの。周りの家庭がどのくらい塾にお金をかけているのか、学年が上がるとどこまで増えるのかを知っておかないと、家計の計画も立てにくいでしょう。
塾の費用は、学年や公立・私立の違い、通う目的によって大きく変わります。特に受験を控えた学年では、毎月の授業料に加えて季節講習や模試の費用も重なり、年間の支出が一気に増えるのが実情です。
この記事では、文部科学省の調査をもとに、小学生・中学生・高校生の塾の費用相場を学年別に解説。習い事との費用の違いや、入会金・教材費など月謝以外にかかる費用、料金が変わる要因、費用を抑える方法や使える貸付制度も紹介しているので、塾選びと家計の計画に役立ててください。
塾の費用相場はいくら?学年別・公立私立別の平均額

塾の費用相場をつかむうえで参考になるのが、文部科学省が全国の保護者を対象に行っている「子供の学習費調査」です。この調査では、学習塾に通うためにかかった入会金や授業料、講習会費、教材費などを合わせた「学習塾費」の1年間の平均額を、学年ごとに公表しています。
最新の令和5年度の調査(令和8年1月の訂正後の数字)をもとに、学年別の塾の費用をまとめると以下の通り。
| 学年 | 公立(年額) | 私立(年額) |
|---|---|---|
| 小学1年生 | 3.2万円 | 15.2万円 |
| 小学2年生 | 3.5万円 | 14.6万円 |
| 小学3年生 | 4.6万円 | 18.0万円 |
| 小学4年生 | 8.1万円 | 26.7万円 |
| 小学5年生 | 10.7万円 | 37.6万円 |
| 小学6年生 | 14.5万円 | 44.3万円 |
| 中学1年生 | 13.4万円 | 15.2万円 |
| 中学2年生 | 21.4万円 | 15.1万円 |
| 中学3年生 | 34.1万円 | 20.2万円 |
| 高校1年生 | 9.0万円 | 11.0万円 |
| 高校2年生 | 14.9万円 | 18.0万円 |
| 高校3年生 | 20.6万円 | 21.5万円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(令和8年1月16日訂正後の統計表)の「学習塾費」をもとに作成(高校は全日制)
公立の場合、小学1年生では年3.2万円ほどだった塾の費用が、中学3年生では年34.1万円と10倍以上に増えています。月あたりに直すと約2.8万円で、高校受験の前の1年間に塾への支出が集中しているのが分かるでしょう。
一方で私立は、中学受験を控えた小学6年生が年44.3万円と最も多く、公立とは費用が増える時期が違います。学年や学校の種類によって、塾の費用のピークは大きく変わるもの。
学年ごとの特徴を、順に見ていきましょう。
小学生の塾の費用は高学年になるほど増えて6年生で最も高い
小学生の塾の費用は、学年が上がるにつれて少しずつ増えていきます。公立小学校に通う子どもの場合、学習塾費の平均は小学1年生で年3.2万円、小学3年生で年4.6万円と、低学年のうちは月数千円ほどの水準。
ところが小学4年生になると年8.1万円とほぼ倍になり、小学6年生では年14.5万円、月あたり約1.2万円まで増えます。小学4年生ごろから塾に通い始める子どもが増えることが、平均額の伸びから読み取れるでしょう。
私立小学校では、小学4年生の年26.7万円から小学6年生の年44.3万円へと大きく伸びていて、中学受験に向けた塾の費用が重くなることが分かります。
送り迎えの時間や毎月の費用を抑えたい家庭は、通塾より費用を抑えやすいオンライン塾の比較も見てみると、選択肢が広がるはず。教室に通う場合でも、通塾にかかる時間や交通費まで含めて考えておくと安心でしょう。
中学生の塾の費用は高校受験を控えた中学3年生で大きく増える

中学生は、すべての学年の中で塾の費用がもっとも大きくなりやすい時期です。公立中学校の学習塾費の平均は、中学1年生で年13.4万円、中学2年生で年21.4万円、中学3年生で年34.1万円。
特に中学3年生の塾の費用は、中学2年生の約1.6倍になっています。高校受験に向けて受講する科目や授業の回数が増えるうえ、夏期講習や冬期講習、入試直前の特別講座が重なるためでしょう。
一方で私立中学校は、中学1年生と2年生が年15万円台、中学3年生が年20.2万円と、公立ほど大きな伸びはありません。中高一貫校に通う生徒は高校受験がないため、塾に通う目的が学校の授業の補習や大学受験の準備に変わることが関係していると考えられます。
部活動で忙しく通塾の時間が取りにくい場合は、中学生のオンライン塾の月額と比べてみるのもよいでしょう。
高校生の塾の費用は大学受験に向けて学年が上がるほど増える
高校生の塾の費用は、高校1年生では中学3年生より大きく下がり、そこから大学受験に向けて再び増えていきます。公立高校(全日制)の学習塾費の平均は、高校1年生で年9.0万円、高校2年生で年14.9万円、高校3年生で年20.6万円。
高校3年生の塾の費用は高校1年生の約2.3倍で、受験学年に近づくほど塾や予備校への支出が増えているのが分かります。私立高校でも、高校1年生の年11.0万円から高校3年生の年21.5万円へと、ほぼ倍に増えているもの。
高校生は、志望する大学や受験の方式によって必要な対策が大きく違います。苦手科目だけを補う生徒もいれば、受験科目すべてを予備校で受講する生徒もいるため、平均額よりも実際の費用の幅は大きいでしょう。
通学や部活動で時間が限られる高校生は、月額の目安も載せた高校生のオンライン塾比較も含めて比べると、費用と時間の両方を抑えやすくなります。
公立と私立では塾にかける費用の多い学年がまったく違う
学年別の表を公立と私立で見比べると、塾の費用が増える時期がはっきり違うことに気づくでしょう。公立は中学3年生、私立は小学6年生がピークで、どちらも次の学校への受験を控えた学年です。
公立小学校から公立中学校へ進む子どもの多くは、高校受験が最初の大きな受験。そのため、公立に通う家庭では中学生の3年間に塾の費用が集中しやすいのが特徴でしょう。
反対に、私立小学校に通う子どもや中学受験をする家庭では、小学校の高学年から塾の費用がかさみます。私立中学校に進んだ後は、公立中学校より塾の費用が低い傾向があり、中学3年生でも年20.2万円にとどまっているもの。
わが子がどの学年で受験を迎えるかによって、塾の費用が多くかかる時期は変わります。進学の予定に合わせて、費用のピークがいつ来るのかを見通しておきましょう。
調査の平均額は塾に通っていない子どもも含めた数字と知っておく
文部科学省の調査の学習塾費は、塾に通っている子どもだけでなく、通っていない子どもも含めて計算した1人あたりの平均額です。塾に通っていない家庭の支出は0円として平均されるため、実際に塾に通っている家庭の負担は、表の金額より高くなると考えておきましょう。
例えば公立小学1年生の年3.2万円は、月に直すと3,000円に満たない金額。これは低学年で塾に通う子どもがまだ少ないことの表れであり、塾の月謝そのものがこの水準というわけではありません。
また、学習塾費には授業料だけでなく、入会金や講習会費、教材費、模試の費用、塾までの交通費も含まれます。調査の数字は「塾の月謝の相場」ではなく、「その学年で家庭が塾に使ったお金の平均」と理解しておくのがよいでしょう。
実際の月謝は、近くの塾の料金表や体験授業での説明で確かめるのが確実です。
塾と習い事の費用はどう違う?学年で変わるお金のかけ方

子どもの学校の外での学びには、塾だけでなく、スポーツや音楽などの習い事にもお金がかかります。文部科学省の調査では、塾や家庭教師、通信教育などの「補助学習費」と、習い事や体験活動などの「その他の学校外活動費」を分けて集計しているもの。
学校の種類ごとに、塾の費用と習い事などの費用を並べると以下の通り。
| 学校の種類 | 学習塾費 | 習い事などの費用 |
|---|---|---|
| 公立小学校 | 7.5万円 | 14.4万円 |
| 私立小学校 | 25.9万円 | 34.3万円 |
| 公立中学校 | 23.0万円 | 8.4万円 |
| 私立中学校 | 16.8万円 | 18.6万円 |
| 公立高校 | 14.7万円 | 4.4万円 |
| 私立高校 | 16.7万円 | 10.8万円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(令和8年1月16日訂正後の統計表)の「学習塾費」「その他の学校外活動費」をもとに作成(年額)
公立小学校では、習い事などの費用が年14.4万円と、学習塾費の約1.9倍になっています。ところが公立中学校では関係が逆になり、学習塾費が年23.0万円と、習い事などの費用の2.7倍以上に。子どもの成長とともに、家庭のお金のかけ方が習い事から塾へ移っていく様子がうかがえます。
どの習い事が人気なのかは、習わせてよかった習い事のランキングも参考にしてみてください。
学年ごとの変化を、もう少し詳しく見ていきましょう。
小学校の低学年は塾よりも習い事にお金をかける家庭が多い
小学校の低学年のうちは、塾より習い事にお金をかける家庭が多い傾向があります。公立小学校の1年生では、学習塾費の平均が年3.2万円なのに対し、習い事などの費用は年13.6万円と4倍以上。
水泳やピアノ、英会話など、体力づくりや興味を広げるための習い事を優先し、勉強は家庭学習や通信教育で補う家庭が多いのでしょう。低学年のうちは、塾の費用より習い事の月謝のほうが家計に占める割合が大きいのが一般的です。
文部科学省の調査では、公立では小学6年生以降、私立では小学4年生以降に、塾などの補助学習費の割合が習い事などの費用を上回ると報告されています。
つまり、塾の費用が習い事を追い抜くのは、公立なら小学校の最後の1年、私立なら中学受験の準備が本格化する4年生のころ。低学年のうちから塾と習い事の両方に通わせる場合は、高学年でどちらの費用が増えるかを見越しておきましょう。
中学生になると習い事の費用が減り塾の費用が中心になる
中学生になると、多くの家庭で習い事の費用が減り、塾の費用が中心になっていきます。公立中学校の習い事などの費用は、中学1年生の年10.6万円から中学3年生の年5.6万円へと、ほぼ半分に減っているもの。
中学校では部活動が始まり、放課後や週末の時間の多くを部活動に使うようになります。さらに定期テストや高校受験への意識が高まり、小学生のころから続けてきた習い事をやめて、塾に切り替える家庭も少なくありません。
公立中学3年生では、学習塾費の年34.1万円に対して、習い事などの費用は年5.6万円と、6倍ほどの差がついているもの。受験学年では、学校の外にかけるお金のほとんどが塾に向かっているといえるでしょう。
習い事を続けるかどうかは子どもの気持ちも大切です。費用の面だけで決めず、受験までの時間の使い方と合わせて家族で話し合ってみてください。
習い事の費用はスポーツや音楽など習う内容によって差が出る
習い事の費用は、何を習うかによって大きく変わります。文部科学省の調査では、習い事などの費用を「スポーツ・レクリエーション活動」「芸術文化活動」「教養・その他」などに分けて集計しているもの。
公立小学校では、スポーツ・レクリエーション活動が年6.7万円と最も多く、芸術文化活動が年3.4万円、教養・その他が年3.6万円です。水泳やサッカーなどのスポーツは、月謝に加えてユニフォームや用具、遠征や大会の費用がかかることも多いでしょう。
ピアノなどの音楽は芸術文化活動にあたり、発表会の参加費や楽器の購入費が別にかかることがあります。習字やそろばん、英会話は「教養・その他」に入り、検定の受験料が必要になる場合も。
学習の土台づくりにつながる習い事を探しているなら、自宅で受けられるオンラインそろばん教室のように、通う手間と費用を抑えられる方法もあります。
学校外の費用の合計は公立なら中学3年生が最も多くなる
塾と習い事などを合わせた学校の外での費用は、学年によってどう変わるのか。文部科学省は、学年別の学校外活動費について次のようにまとめています。
学校外活動費を学年別に見ると、公立では中学校第3学年の約44万6千円が、私立では小学校第6学年の約89万1千円が、最も多くなっている。
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」
公立の中学3年生の約44.6万円のうち、大半を占めているのが塾などの補助学習費です。一方、私立の小学6年生の約89.1万円には、中学受験のための塾の費用に加えて、習い事などの費用も多く含まれています。
この数字は、塾と習い事の費用を別々ではなく、合わせて考える必要があることを示しているといえるでしょう。塾の月謝だけで予算を組むと、習い事を続けた場合に想定より支出が膨らむこともあるもの。
特に、塾の費用が増える受験学年と、習い事の大会や発表会が続く時期が重なると、学校の外での支出は一気に膨らむでしょう。子どもの学年が上がる前に、塾と習い事のどちらにどのくらいかけるのか、1年間の合計額で見直しておくと安心です。
塾の費用はなぜ違う?料金が変わる4つの要因

同じ学年の子どもでも、通う塾によって毎月の費用は大きく変わります。数千円で通える塾もあれば、月に数万円かかる塾もあり、「相場」と一言でいっても幅が広いのが実情でしょう。
この差を生んでいるのが、指導の形、受講する科目の数や回数、受験に向けた講座の有無、そして住んでいる地域の違いです。どの要因で費用が上がっているのかを知っておくと、塾の料金表を見比べるときに「なぜこの塾は高いのか」が分かりやすくなります。
また、同じ塾の中でも、学年が上がるにつれて授業時間が延びたり、受講できる講座が増えたりして、料金が段階的に上がるのが一般的。入塾したときの月謝が、受験学年まで同じとは限りません。
料金の決まり方を知っておくことが、費用を抑える近道にもなるはず。塾の費用を左右する主な要因は、次の4つ。
それぞれの要因を詳しく解説します。
集団指導か個別指導か映像授業かで1コマの料金が変わる

塾の料金を大きく左右するのが、講師1人が何人の生徒を教えるかという指導の形です。集団指導の塾は、1人の講師が大勢の生徒に授業をするため、生徒1人あたりの料金を抑えやすい仕組み。
一方で個別指導の塾は、講師1人が1対1や1対2などの少人数を受け持つため、同じ授業時間で比べると料金が高くなりがちです。さらに、映像授業の塾やオンライン塾は、教室の運営にかかる費用を抑えられるぶん、通塾型より割安な料金を設定している所も多いでしょう。
講師1人に教わる形には、塾のほかに家庭教師もあります。オンライン家庭教師の料金比較を見ると、講師の交通費がかからず、対面の家庭教師より料金を抑えやすい傾向があるもの。
指導の形ごとの細かな違いは塾によって異なるため、気になる塾があれば、同じ科目・同じ時間の料金で並べて比べてみてください。
受講する科目の数と週に通う回数で毎月の授業料が決まる
塾の授業料は、受講する科目の数と、週に何回通うかによって決まるのが基本です。集団指導の塾では「英語・数学の2教科コース」「5教科コース」のように、科目をまとめたコースで料金が決まっていることが多いでしょう。
個別指導の塾では、1コマあたりの料金に、月に受講するコマ数をかけて授業料を出す仕組みが一般的。週1回なら月4コマ、週2回なら月8コマというように、通う回数を増やすほど授業料は比例して上がるものです。
また、学年が上がると1コマの授業時間が長くなったり、1コマあたりの料金そのものが上がったりする塾も少なくありません。小学生のときと同じ回数で通っていても、中学生になると月謝が上がるのはそのため。
料金表を見るときは、1か月あたりの授業料だけでなく、何科目を週に何回受ける場合の金額なのかを確かめておきましょう。
受験学年や志望校のレベルによって講習や特別講座が増える
受験を控えた学年になると、塾の費用は通常の授業料以外の部分で大きく増えていきます。夏期講習や冬期講習の授業時間が長くなるうえ、入試直前の特訓講座や、志望校別の対策講座などが加わるためです。
特に難関校を目指すコースでは、通常の授業に加えて、土日の特別講座や合宿が用意されていることもあるでしょう。こうした講座は参加が前提になっている場合も多く、年間の費用を押し上げる要因になっています。
先ほどの調査でも、公立の中学3年生や高校3年生、私立の小学6年生といった受験学年で、塾の費用が大きく増えていました。受験学年の費用が高くなるのは、授業料が上がるだけでなく、こうした講座が重なることも理由の1つ。
入塾するときは、今の学年の月謝だけでなく、受験学年になったときの年間の費用の目安も聞いておくと安心です。
住んでいる地域の人口規模で塾や習い事にかける費用が変わる
塾や習い事にかける費用は、住んでいる地域によっても差が出るもの。文部科学省の調査では、学校がある市区町村の人口規模が大きいほど、学校外活動費がおおむね多い傾向にあると報告されています。
例えば公立小学校では、人口10万人未満の市町村の学校外活動費が年18.5万円なのに対し、人口100万人以上の市と特別区では年35.5万円と、約1.9倍の差に。公立中学校でも、年29.3万円と年43.4万円の開きがあるもの。
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」図6 学校が所在する市区町村の人口規模別の学校外活動費
都市部では塾や習い事の教室が多く、選択肢が多いぶん通う子どもも増えやすいでしょう。中学受験をする家庭が多い地域では、小学生のうちから塾の費用がかさむこともあります。
全国の平均額は1つの目安にすぎません。住んでいる地域の塾の料金や、周りの家庭の通い方も合わせて確かめておくと、現実に近い予算を立てられるでしょう。
月謝以外にかかる塾の費用は?入会金・教材費・講習費の内訳

塾の費用というと毎月の月謝に目が向きがちですが、実際には月謝以外にもさまざまなお金がかかります。文部科学省の調査でも、学習塾費には次のような費用が含まれると定義されているもの。
学習塾へ通うために支出した全ての経費で、入会金、授業料(月謝)、講習会費、教材費、通っている学習塾での模擬テスト代、学習塾への交通費
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」項目別定義
このように、入会金や講習会費、教材費、模試の費用、塾までの交通費まで、塾に通うためのお金はすべて塾の費用と考えるのが基本です。パンフレットに大きく書かれた月謝だけで比べると、1年間の総額で思わぬ差が出ることもあるでしょう。
特に、入塾するときにかかる初期の費用と、季節講習などの一時的な費用は、月によって家計への負担が大きく変わる原因になります。いつ、どのくらいの支払いがあるのかを先に知っておけば、慌てずに準備できるはず。
月謝以外にかかる主な費用を、順に見ていきましょう。
入会金と教材費は入塾するときにまとめてかかる初期の費用
塾に入るときには、初月の授業料に加えて、入会金と教材費がまとめてかかるのが一般的です。入会金は入塾の手続きのために1回だけ払う費用で、塾によって金額はさまざま。
教材費は、塾で使うテキストや問題集の費用です。年度の初めにまとめて払う塾もあれば、学期ごとや講習ごとに払う塾もあり、受講する科目が増えるほど教材費もかさむことを覚えておきましょう。
また、入会金は時期によって無料や半額になるキャンペーンを行っている塾も多く、新学期の前や夏休みの前などに見かけることがあります。入塾の時期を少し調整するだけで、初期の費用を抑えられる場合もあるもの。
入塾を決める前に、初月に払う金額の合計を書き出してもらうと、月謝との違いが分かりやすくなるでしょう。兄弟がすでに通っている場合は入会金が免除になる塾もあるので、あわせて確かめてみてください。
春休みや夏休みの季節講習は受験学年ほど費用がかさみやすい
月謝以外の費用の中で、金額が大きくなりやすいのが春期・夏期・冬期の季節講習です。学校が長い休みに入る時期に、ふだんの授業とは別に集中して授業を行う講座で、多くの塾が用意しているもの。
季節講習の費用は、受講する日数や時間、科目の数によって決まります。中でも夏期講習は期間が長く、季節講習の中で最も費用が高くなりやすいもの。受験学年になると、講習の時間が増えたり、志望校別の講座が加わったりして、通常の月謝の数か月分にあたることもあるでしょう。
季節講習は、塾によっては参加が前提になっている場合もあります。入塾してから「講習は必須だった」と知ることがないよう、事前に確かめておくと安心です。
講習の費用は一度に払うことが多いため、毎月の家計とは別に、講習の時期に合わせて準備しておくのがおすすめ。
模試の受験料や施設の管理費も毎月の月謝とは別にかかる
季節講習のほかにも、毎月の月謝とは別にかかる細かな費用があります。代表的なのが、模擬試験の受験料と、施設の管理費や運営費などの名目で払う費用です。
模試は、志望校の合格の見込みや学力の位置を確かめるために受けるもので、受験学年では年に何回も受けることになるでしょう。塾によっては模試の受験が必須で、受験料が授業料とは別に請求される場合もあります。
施設の管理費は、教室の冷暖房や自習室の運営などにあてられる費用で、毎月や学期ごとに決まった額を払う塾が多いもの。月謝の表示に含まれていないことがあるため、見落とさないよう注意が必要。
さらに、塾までの交通費や、帰りが遅くなる日の送り迎えの負担も、家庭によっては無視できません。文部科学省の調査でも、塾への交通費は学習塾費に含まれています。
塾の年間の総額は月謝の12か月分に講習費などを足して出す

塾の費用を比べるときは、1年間の総額で考えるのが確実でしょう。総額の出し方は、毎月の授業料の12か月分に、入会金、教材費、季節講習の費用、模試の受験料、施設の管理費などを足していくのが基本。入会金は1年目だけの費用なので、2年目以降は除いて計算します。
例えば月謝が同じくらいの2つの塾でも、季節講習が必須か自由参加か、教材費が年1回か学期ごとかによって、年間の総額には数万円以上の差がつくこともあります。
入塾前の面談では、「1年間でいくらかかるか」の見積もりを出してもらうのがおすすめ。受験学年までの数年分を見通したい場合は、学年が上がったときの月謝や講習の費用の目安も聞いておくとよいでしょう。
総額が分かれば、家計の中でどのくらいを塾にあてられるかを判断しやすくなります。季節講習の時期など、支払いが重なる月も把握しておきましょう。
塾の費用を抑える方法は?受講の工夫と使える制度

塾の費用は、学年が上がるにつれて増えやすいもの。受験学年になってから慌てないためにも、早いうちから費用を抑える工夫を知っておくと安心でしょう。
費用を抑える方法は、大きく分けて2つあります。1つは、受講する科目や講習を見直したり、割引を活用したりと、塾の選び方と通い方を工夫する方法です。もう1つは、自治体の貸付制度や教育ローンなど、家計を支える制度を調べて使う方法。
ただし、費用を抑えることばかりを優先すると、子どもに必要な授業まで削ってしまうおそれもあります。大切なのは、子どもの目的や学力に合った授業を残しながら、むだな出費を減らすことでしょう。
どこに費用がかかっているのかを1年間の総額で確かめ、見直せる所から手をつけていくのがおすすめです。主な方法は、次の5つ。
できそうな方法から取り入れてみてください。
受講する科目は苦手な教科に絞って毎月の授業料を抑える
塾の費用を抑えるうえで最も効果が大きいのが、受講する科目を絞ることです。授業料は科目の数やコマ数で決まるため、すべての科目を塾で受けるのではなく、本当に助けが必要な苦手な教科だけを受講すると、毎月の負担を軽くできます。
例えば、英語は学校の授業と家庭学習でついていけているなら、塾では数学だけを受けるといった選び方。個別指導の塾なら科目を1つずつ選べることが多く、集団指導の塾でも単科のコースを用意している所があるでしょう。
ただし、受験学年では、受験に必要な科目を偏りなく対策する必要が出てきます。今の学年では科目を絞り、受験が近づいたら必要な科目を足していくという段階的な考え方がおすすめ。
科目を減らすときは、塾の講師に今の成績を見てもらい、どの科目を残すべきかを相談すると安心です。
季節講習は申し込む前に必要な講座かどうかを塾と相談する
季節講習は、塾から案内された講座をすべて申し込むと、費用が大きく膨らみがちです。申し込む前に、子どもにとって本当に必要な講座かどうかを確かめましょう。
講習の案内には、通常の授業の復習、次の学期の予習、受験対策など、目的の違う講座が並んでいることが多いもの。苦手な単元の復習や志望校の対策など、目的がはっきりした講座に絞るだけでも、費用を抑えられるでしょう。
季節講習が自由参加の塾なら、講座ごとに選んで申し込めるのが一般的です。一方で、参加が前提になっている塾では、受講する日数や科目を減らせるかを相談してみてください。
講習の時期は家庭学習の時間を確保しやすい時期でもあります。塾の講習と、家で取り組む問題集や復習の計画を組み合わせると、費用をかけすぎずに学習の量を確保できるはず。
兄弟割引や特待生制度など塾ごとの割引の仕組みを確かめる
塾によっては、費用の負担を軽くする割引の仕組みを用意しています。代表的なのが、兄弟や姉妹が同じ塾に通うと授業料や入会金が割り引かれる兄弟割引でしょう。
また、入塾テストや模試の成績が優秀な生徒の授業料を減額・免除する特待生制度を設けている塾もあります。成績に自信がある場合は、特待生制度があるかを入塾前に聞いておくと、思わぬ割引を受けられることもあるもの。
このほか、入会金が無料になるキャンペーンや、友だちの紹介で割引が受けられる制度、講習の早期申し込みの割引などもあります。こうした割引は塾のホームページに載っていないこともあるため、面談の際に直接聞いてみるのがおすすめ。
割引の条件や期間は塾ごとに違います。割引があるからと急いで入塾を決めず、授業の内容や年間の総額と合わせて判断しましょう。
通塾の費用を抑えたいならオンライン塾や通信教育も比べる
通塾型の塾にこだわらず、オンライン塾や通信教育を選ぶのも、費用を抑える方法の1つです。オンライン塾は教室の運営にかかる費用が少ないぶん、通塾型の塾より料金が抑えられていることが多いでしょう。
自宅で受けられるため、塾までの交通費や送り迎えの手間がかからないのも利点。映像授業なら決まった料金で何度でも見直せるサービスもあり、部活動や習い事で忙しい子どもでも、空いた時間に学習を進めやすいものです。
小学生なら、塾より月額を抑えやすいタブレット教材で家庭学習の習慣をつける方法もあります。学年別のオンライン塾は、この記事の学年別の項目で紹介した小学生・中学生・高校生向けのランキングで比べてみてください。
ただし、オンラインの学習は自分で計画を立てて続ける力が必要です。子どもの性格に合うかどうか、無料体験などで確かめてから選ぶと安心でしょう。
払うのが難しいときは教育ローンや自治体の貸付制度も調べる
受験学年の塾の費用が家計に重いときは、教育ローンや自治体の制度を調べてみる方法もあります。教育ローンは金融機関によって使いみちの範囲が違い、学習塾の費用に使えるものと対象外のものがあるため、申し込む前に確かめることが欠かせません。
自治体によっては、受験生の塾の費用を支援する制度を用意しているもの。例えば東京都の「受験生チャレンジ支援貸付事業」は、所得などの条件を満たす家庭の中学3年生・高校3年生などを対象に、学習塾などの受講料を貸し付ける制度です。
江東区の案内では、令和8年度の学習塾等受講料の貸付額を次のように示しています。
300,000円(上限)、こども1人に対して同一年度に限り、限度額まで複数回の申し込みが可能
江東区「受験生チャレンジ支援貸付事業」
この制度は、高校や大学などに入学すると返済が免除される仕組みです。住んでいる自治体にも同じような制度がないか、役所や社会福祉協議会の窓口で確かめてみてください。
塾の費用に関するよくある質問
塾の費用について、保護者からよく寄せられる質問に回答します。塾の費用の悩みは、入塾前に予算を立てるときだけでなく、通い始めてから月謝や講習費の負担を感じたときなど、時期によってさまざまです。
どの場合も大切なのは、他の家庭の金額と比べることより、わが子の目的と家計に合った通い方になっているかという点。平均額は1つの目安として使い、実際の費用は通う塾の料金表と年間の見積もりで確かめていきましょう。
費用の面で迷ったときは、塾の教室長に相談してみるのも1つの方法です。受講する科目や回数の見直しなど、子どもの成績を知っている講師だからこそできる提案をもらえることもあるでしょう。
ここでは、塾の費用について特に多い4つの質問を取り上げました。
中学生の塾代は1か月あたりいくらくらいを見込めばよい?
文部科学省の調査によると、公立中学校に通う生徒の学習塾費の平均は年23.0万円で、1か月あたりに直すと約1.9万円です。ただし学年による差が大きく、中学1年生は月約1.1万円、中学3年生は月約2.8万円が平均の目安。
この金額は塾に通っていない生徒も含めた平均のため、実際に塾に通っている家庭では、これより高くなることが多いでしょう。特に中学3年生は、季節講習や入試直前の講座が重なる時期に、1か月の支払いが大きく増えることもあるもの。
中学生の塾代は、月々の授業料に講習費などを足した年間の総額で見込んでおくのがおすすめ。中学1年生のうちから、受験学年に向けて少しずつ準備しておくと安心です。
月謝が安い塾を選ぶと成績は伸びにくいのでしょうか?
月謝が安いからといって、成績が伸びにくいとは限りません。成績が上がるかどうかは、塾の料金よりも、授業の内容が子どもの学力や目的に合っているか、家での復習まで続けられるかに左右されるもの。
例えば、学校の授業を理解できている子なら、料金を抑えやすい集団指導の塾や映像授業でも十分に力を伸ばせるでしょう。反対に、つまずいている単元が多い子は、料金が高めでも一人ひとりに合わせて教える塾のほうが、結果的に近道になることもあります。
大切なのは、料金の安さではなく、払った費用に見合う授業を受けられているかという点です。入塾前に体験授業を受け、子どもが授業を理解できたか、続けられそうかを確かめてから決めましょう。
塾に通わず家庭で勉強する場合の費用はどのくらいかかる?
塾に通わず家庭で勉強する場合も、参考書や問題集、通信教育などの費用がかかります。文部科学省の調査では、公立小学校の家庭内学習費(参考書や学習用の物の購入費など)の平均は年1.3万円、通信教育・家庭教師費は年2.2万円です。
公立中学校では、家庭内学習費が年1.3万円、通信教育・家庭教師費が年2.1万円で、学習塾費の年23.0万円と比べると、家庭学習にかかる費用はかなり小さいことが分かるでしょう。
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(令和8年1月16日訂正後の統計表)
ただし、家庭学習だけで学力を伸ばすには、自分で計画を立てて取り組む習慣が欠かせません。分からない所を質問できる相手がいないと、つまずきが残りやすい点にも注意が必要。まずは家庭学習で様子を見て、伸び悩むようなら塾を検討するという順番もよいでしょう。
世帯の年収によって塾や習い事にかける費用は変わるのか?
文部科学省の調査では、世帯の年収が高くなるにつれて、塾や習い事などの学校外活動費が、おおむね多くなる傾向がみられると報告されています。
例えば公立小学校では、世帯の年収が400万円未満の家庭の学校外活動費は年15.8万円なのに対し、1,200万円以上の家庭では年47.8万円と、約3倍の差があります。家庭によって塾や習い事にかけるお金には大きな幅があるということでしょう。
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」図7 世帯の年間収入別の学校外活動費
そのため、平均額や周りの家庭の金額を見て「うちも同じくらいかけなければ」と考える必要はありません。家計の中で無理なく続けられる金額を先に決め、その範囲で子どもに合う塾や習い事を選ぶことが、長く続けるための近道です。


